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zoom RSS 竹富町自然環境保護条例改正に係る意見の全文公開

<<   作成日時 : 2017/04/11 09:43  

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去る2017年2月10日に「竹富町自然環境保護条例改正に係る意見」(パブリックコメント)を送りましたが、竹富町発表の実施結果のとりまとめ表
http://www.town.taketomi.lg.jp/uploads/fckeditor/uid000012_20170331175907e372e9b3.pdf
とは一部文意が変わってしまうところもあるため、こちらで全文公開することにしました。
結果は非常に残念ではありましたが、これを公開することにより、これから規制に携わる方達の中で、本当に生き物や自然が好きな幾人かの心に響くところがあれば、うれしく思います。


以下原文

『竹富町役場 自然環境課 御中

この度はパブリックコメントという場を設けて頂き、誠にありがとうございます。
埼玉県で水生生物の養殖をしている中村と申します。
私が意見したいのは「希少野生動植物」「特別野生動植物」に選定された魚類、甲殻類についてです。

まず、全体的なことに関する意見を申し上げます。
今回の意見募集に際し
「竹富町に生育・生息する野生動植物(外来生物を除く)は、世界的にも大変貴重であり、野生動植物の多様性を保全することは現在のみならず次世代に引き継いでいく必要があります」
という一文があります。まさに仰るとおりで、私も若い頃から南西諸島の自然の中で多種多様な魚たちを獲り、場合によっては持ち帰り、その習性を学んだり調べたりすることにより、その素晴らしさを実感して「大切にしたい」「次世代に残したい」そう強く思うようになったのです。

私は未来のある若者たち、子どもたち、孫たち、さらにその子どもたちにも同じ体験をさせてあげたいし、マナーを守って楽しむのなら、思う存分西表の川を満喫して欲しいと思います。
ところが、今回「希少野生動植物」「特別野生動植物」に選定された生き物たちは、淡水域、汽水域で採集を楽しめば、まずほとんどの種が網に入ってしまうものです。
場合によっては罰則もありそうな条例ということで、もし今、自分がその地域の川に入るとしても、かなりのプレッシャーを感じてしまうのは想像に難くないです。
同時に「町内の健全で豊かな自然環境の保全と生物多様性の確保のために、必要な措置を総合的に講じるために制定するものです」
ともありますが、果たしてこの改正案は本当に健全で豊かな自然環境の保全と生物多様性の恵みをもたらす結果になると言えるでしょうか。ただ川に入って魚を獲るだけで、多くの人々が罪や後ろ暗さを感じるようなことになれば、健全とも健やかとも言えないのではないでしょうか。
触らせない捕らせない飼わせない、そんな不自由三原則は、机の上のみで知識を培ってきたお役人の方や、「生物多様性保全」という言葉の響きのみに心を奪われている過激で声の大きな保護団体の方達の言い分です。

実は、私はこの改正案についてはツイッターを通して知りました。
若い方、受験勉強や大学のテスト期間で今まさに頑張っている最中で、春休みに南国で採集を夢見る子、生き物が大好きな中高校生で、いつか西表島で珍しい魚を捕まえてみたい、飼ってみたいと呟いていた子、そんなたくさんの方達からの嘆きが聞こえてきたのがきっかけです。
これから彼らは一生悔しがって生きていくのか、あの素晴らしい体験をすることは未来永劫かなわないのか、こんなことがあってよいのか、と思いました。正直見ていて涙が出ましたよ。
逆にご意見をお伺いたいのですがそんな気持ちになられた方は、この選定や改正案に積極的に関与した方達の中におられなかったのでしょうか?
次の世代に、私たちが楽しんだ形をなるべくそのままバトンタッチしたい。そう思うのが普通なのではないでしょうか?
同じ大人として、私はとても恥ずかしい。

西表島を中心に世界自然遺産登録をしたい。そのために生き物たちの保護措置をする姿勢を見せたい。そのお気持ちはよくわかります。
ですが、「保護をする=採集禁止」ではないし、「生物多様性の保全=多数の種を指定すればいい」でもありません。
多様な生態系サービスを万人が享受できる状態、それを持続可能にしていくことこそが生物多様性保全の神髄です。

今ある枠にとらわれないで下さい。採捕、飼育に関しては基本的に個人のマナーなのですから、そこを狙い撃つような、例えば希少種であれば一人何匹までとか、大量に捕獲している人やゴミのポイ捨てなど明らかなマナー違反をパトロールするレンジャーを増やすなど、この改正案を通す予算があるなら、他に代案はいくらでもあるのではないでしょうか。
また大人の都合で、どうしてもこの改正案をとおさなければならない。と仰るなら、「希少野生動植物」のみを選定し、捕り過ぎ等の注意決起、またその内容にありますように、一部の地域を保護区に設定し、そこは「聖域」のようにして他の地域の採集に関しては現状維持、というゾーニング案も取り得ます。
もしそれでも採集希望者が多数いて心配だというなら、保護管理事業の実施として町営の保護増殖事業を行い、その繁殖個体を販売し保護費用に充てるなど、いろいろ策は考えればあると思います。
採集、飼育の禁止というのは、本来、人の権利的な問題からいっても最後の最後、最終手段であるべきです。
今こそ柔軟で公正な対策を立て、大人の矜持を世に示そうではありませんか。他のどの国にも負けない先進的かつ効率的な生物多様性保全戦略をつくっていこうではありませんか。

ここからは各論ですが「特別野生動植物」の選定種について私見を申し上げます。
カッショクサワガニ、ヤエヤマヤマガニ、ドウクツモクズガニ、ドウクツベンケイガニ
これら甲殻類については、ほぼ採集圧を考えなくてよいと思いますので指定の必要はないと思います。
また個体数が減り、とても心配であるということでしたら、私にお任せ頂ければ繁殖は可能かと思われます。

カワボラ、ウラウチフエダイ、ニセシマイサキ、ヨコシマイサキ、シミズシマイサキ、ツバサハゼ、タナゴモドキ、タメトモハゼ、キバラヨシノボリ種群、アカボウズハゼ、コンテリボウズハゼ、ハヤセボウズ
魚類については、キバラ種群ではありませんが、オガサワラヨシノボリ、クロヨシノボリ、クロダハゼは繁殖経験もあり、ヨシノボリ類についてはいつでも数を増やせる魚、というのは証明可能な事実です。
またその応用からツバサハゼ、タナゴモドキ、タメトモハゼ、アカボウズハゼ、コンテリボウズハゼ、ハヤセボウズハゼなども養殖は可能かと思われます。どうしても指定が必要というほど減っておりますなら、条件にもよりますがこの魚たちの繁殖を本気で取り組んでもよいです。不可能ではありません。指定の必要はないと思います。

その他のカワボラ、ウラウチフエダイ、ニセシマイサキ、ヨコシマイサキ、シミズシマイサキに関しては勉強不足です。
しかしながら、日本魚類学会 自然保護委員会様の方から2015年6月1日に沖縄県西表島浦内川からの取水に関する質問状(環境大臣,竹富町長宛)にて「ウラウチフエダイ、シミズシマイサキ、ヨコシマイサキ、ニセシマイサキ、およびカワボラの5種は、今回取水が予定されている汽水域上端からマリウドの滝までのわずか1.5kmの渓流域(淡水域)を主な生息地としており」という記述があり、それが本当であれば取水の方が問題だと思います。
もし指定するのであれば、このような行為を止めるようでなければ、形ばかりの指定であったと、後世からの誹りは免れないでしょう。

以上、総論各論両方の面からいっても、魚類甲殻類におきましては「特別野生動植物」のように各生物の全部が全部採集禁止、というような形をとるのは時期尚早であり、「希少野生動植物」も注意程度に留め、人々の意識や行為を引き締める方向、万人が生物多様性の恵みを受けることが出来る方向に対策を見直すべきである。という結論でございます。

この度はパブリックコメント募集という市民参加型の開かれた形をご用意して頂き、感謝に堪えません。公開が前提とありましたが、是非お願いします。
これからの生物多様性保全、生態系サービスの持続可能な利用を考える上では、世間一般の理解が必要不可欠だと思いますので。

オッケーフィッシュファーム代表 中村陽一』

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