ふじみ野市産業祭り2010その6各論編~ギンブナ

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YES!ギンブナ!YES!

さて、珍しくのっけからテンションを上げてみましたのは、このペースだと今年中に産業祭シリーズを終わる事が出来ないという圧倒的恐怖感からで、決して気がふれてしまった訳ではありません。

そんな訳で今日は実は順番も間違えていたのを軽く訂正して(その4が二つあるらしい。)「ギンブナ」やっていきます。

ギンブナ
フナと言えばこの種のことを指す。
関東地方のものは殆どメス。
メスだけでも殖える不思議な魚。


かなり要約してしまっておりますが、普通種のくせにとても特殊な能力が有る点を強調したくこんなぶっきらぼうな文になってしまいましたが、詳しく言えばこんな感じです。

フナと言えば全国各地におりますが、関東地方で現在非常に数が多いものはギンブナと考えられます。
全国的にはナガブナ、オオキンブナ等も数が多いのですが、今回はふじみ野産業祭ということでこの辺で最もメジャーなフナということでギンブナ=フナ的に扱わせていただきました。

学名などから推察すると、ギンブナ、キンブナ、ゲンゴロウブナは明瞭に区別してますが、その他はキンブナの亜種扱いだったり、とりあえずフナ属だったりあんまり学術的にもまだ落ち着いていない気がします。

私見ではありますが、形態や分布等から考えますとギンブナ、キンブナクループ、ゲンゴロウブナと分けると比較的頭がすっきりします。

しかしこの文章で言いたかったのは、このギンブナはなんといっても雌性生殖という魚類では非常に稀な特技を持っている点です。

簡単に言いますと、卵に他の魚の精子をかけても、全く普通のギンブナが生まれてくるというという特技です。

普通の魚は、人間もそうですが、卵子、精子は減数分裂により細胞内に半分ずつ遺伝情報をもち受精により1つの情報になるというパターンです。

ところがギンブナの卵は精子が接触しなければ発生しないらしいのですが、接触すると精子の遺伝情報は全く入らず、完全にノーマルなギンブナが生まれてきます。

つまり卵の方にすべての遺伝情報が入っており、精子は単なるきっかけに過ぎず、遺伝情報が使われる事は無いのです。

これも私見ですが、この特徴は春~夏にほとんどの川魚が小河川や一時的水域に産卵の為に遡上しひしめき合う水域において、産卵行動さえしてしまえば、高確率で未受精卵を防ぎ、種も保持することが出来る非常に洗練された優れたものではないかと思えます。

この能力をいかに獲得し、どのように進化してきたのかを考えるとき、まさに「ロマン」を感じざるを得ません。

ただ私、現在非常に後悔しておりますのは結構フィールドに出ていたにもかかわらず、かなりフナ類の採集や観察をおろそかにしてしまったことです。

今考えますとギンブナの雄であろう個体の記録や特徴などはもっと注目するべきでした。

ギンブナとかオオキンブナとか大体区別が付いた時点で多くは即リリースでしたので、とても多くの個体に接する機会がありながら無念です。

それでは気を取り直して、現在トリートメント中の個体たちを例に、主に外見的特徴や私的な感想を交えて紹介していきたいと思います。

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フナ全体に言えるのですが、非常に鱗が剥がれ易いです。とりわけギンブナはすくっただけでも剥がれます。

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各鰭は他のフナより黒い印象があります。ギンブナは何よりこの尻ビレの最初の鰭条が非常に硬く良く網に引っかかります。これを私はカラシンフックならぬカラシウスフックと名づけたいと思います。

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背びれも最初の鰭条が硬く、負けじと引っかかりますが、この比較的硬い鰭条、強い黒色色素等はギンブナを区別する上で非常に大きな特徴となります。

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このように低水温のため背びれのひっかかったところの治癒がとても遅れておりますが、冷たいなりに治癒が上手くいけばこのような経過になります。失敗すると大体水カビが付きます。またその場合そのまま放置すると低水温で免疫機能がほぼ働かず、大抵死に至ります。保温し、薬浴させる必要がありますが、産卵期の成熟もまた逃す事になりがちです。冬季のトリートメントの難しいところです。

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背ビレは比較的他種に比べて広く大きく見えます。

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キンブナを入れてみました。ちなみにこのキンブナは同時期に入荷しトリートメントを開始しております。

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キンブナは非常に背びれが短く、鰭も柔らかそうで色素が薄い傾向があります。
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ギンブナは各ヒレが硬く、黒っぽい感じがします。

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上から見てみましたが、キンブナが一匹だけ目立ちます。

写真は体色も体高ももともとキンブナらしいあるいはギンブナらしい体型のものしか入荷しないのでわかりやすいですが、正直わかりにくい、あるいはわからない個体が多いのも事実です。

最後まで私見で申し訳ありませんが、この中間型みたいのは私は種としてはキンブナの範疇であると思っております。なぜなら典型的なキンブナと同じく典型的なギンブナではトリートメントの期間が非常に差があり、これも1つの種の違いの目安とするならば、中間型はほぼキンブナ同様鱗が飛びにくく、鰭も引っかかりにくい為、トリートメント期間が短い印象をあたえるからです。
かえってキンブナ×金魚、キンブナ×ナガブナ系統、オオキンブナ等の可能性が高いような気がします。

フナ類というのは身近でありながら非常に分類が難しく、なおかつギンブナのように非常に特殊な種もいて最後まで「私見ですが」のフレーズを使わざるを得ず大変申し訳なかったのですが、関東地方特に都市部では外来種を除けばクチボソ、ギンブナは現在の河川、湖沼の主役といっても良いでしょう。

これは少ない産卵場所においても非常に効率良く卵を発生させる特徴や、比較的大型になり遊泳力があるため、現在のような単調河川でもギンブナは比較的存続出来たのかもしれません。

といっても3、40年前はどこの都市部のドブでも秋口になると真っ黒になるほど群れていましたので、メダカ同様現代型の水田開発は相当のダメージを加えたのでしょう。

小学校などでもドブの流れ込む河川にサケを放流する暇があったら、是非このドブでも生き抜いたギンブナの不思議な生態について教えてあげると良いのでは思います。私見ではございますが・・・

次回予告「マゴイ」・・・エビネタ挟みましょうね・・・





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